Le Petit PrincesseII
「何よっ!あなた達まで私の事ジロジロ見て…。」



そう言うと、人魚はまた泣き始めた。




「あなた、名前は?」


ステファニーが名前を聞くと、人魚はまた顔を上げた。




「ヴァレンティーヌよ。ヴァレンティーヌ・ドルチェ。」


「ヴァレンティーヌって言うのね!
私は…ステファニー!ステファニー・ローズよ!」



ステファニーは一瞬、本当の名前を言おうとしてしまった。


「ステファニー、よろしくね!それで…隣の金髪の男の子は?」


「あ、僕はエリックだよ!エリック・ディュマ!」


「エリックね!よろしく!」


ヴァレンティーヌは自己紹介をすると、早速二人に気になっている事を質問した。



「あなた達って人間なの?」


「えっ?ま、まぁ魔法の使える人間って所なのかな?」


「この国は魔法使いの国なのよ。」


「…そうなんだ…」


「それがどうかしたの?」



ステファニーが尋ねると、ヴァレンティーヌは渋い顔をした。



「魔法使いの人間の国がここって事は、海を越えたあっちの国は何の国なの?」



二人は予想外の質問に戸惑っていたが、海を越えた国という所に思い当たる節があった。



「…ブライアン王子の吸血鬼の国じゃないかしら?」


「ブライアン王子⁈あのグレーの瞳の王子様は吸血鬼なの⁈」




ヴァレンティーヌはブライアンを知っていたのか、すぐに食い付いた。
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