泡沫の頁
「ついた…」


かなり歩き回っただろう。


ようやく屯所を見つけた。


「…あの!芹沢鴨の娘の、芹沢麗です!!


父上は居ませんかー!」


…返事がない。


「あの!!」


「…どうしたの?」


背後から聞こえた声に驚いて急いで後ろを


振り返る。


「そんなに叫ばなくても、聞こえてる


から、大丈夫だよ。」


振り返ると、背の高い、すごく優しい


顔をした男性が立っている。


「えっ…あ、ごめんなさい…。」


「別にいいよ。


…それで、あなたは芹沢さんの娘さん?」


「あ、はい…」


「そっかそっか…。


あ、芹沢さんは今、ちょっとここには居な


いから、屯所の中に入ってて?


僕が案内してあげるよ。」


「はい!」
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