裏道万屋の事情
しかしそれはあたしの想像以上に過酷なものとなるのだった―――









『ってかさ、嵐良いの??』

「何が。」

『だって折角の夏休みだよ??課題終わってるなら学校の友達とかと遊びたくない??!!』

「何か色々誘われたけど………めんどくさい。」


はぁっ???!!!

今時の高校生が遊ぶのめんどくさいってどーよ?!
課題はやってたのに??!!



いや…そーだ忘れてた。
嵐は今時からズレてるんだった―――。


『でもあたしに時間割くのなんか勿体ないじゃん。』

「別に良い。菜子と居るの好きだし。」

『……はぁ……。』


やべっ……また嵐のペースに巻き込まれ始めてないかこれ??


「…じゃあさ、教える代わりにこれ終わったら一緒に遊ぼ。」

『ほっ??』


え??え??
何かまた誘われたチックじゃね??!!

ってか何故あなたはいつもそんなに簡単にそういうセリフを言えるのですかマジで!!!!


嵐だからか??

嵐だからなのか?!



……うん、嵐だからだな。


『遊ぶのめんどいんじゃないの??』

「菜子とだったら良い。」

『そ…そう…??まぁあたしなんかで良ければ、じゃぁ遊ぼうか。』

「うん。」



まぁこの嵐のことだから深い意味はないよね。
どー考えても。



『じゃー輝さんと弘さんも誘ってお祭りとかも行こうよ!!楽しそうじゃない?!』

「良いよ。」



何だかいつの間にかあたしが乗り気になってしまってる気がするが、まぁそこは気にせずに。

このテンションの上がる原因は夏という魔法のせいだなっ。

サマーマジックだよサマーマジック。
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