俺様姫とヘタレ王子の恋愛事情




あんなヘタレを好きになるわけ無い。
ましてや教師。
先生と生徒の禁断の恋や愛なんて。


健斗くんがあんな事を言うから気になって授業に集中出来ない。


「桜彼。この問題を解け。」


『は、はい。』


私は黒板の前に立ち答えを書いていく。


「珍しく上の空だったから当てたけど、答え合ってるな(笑)」


『だって私だし完璧だし(笑)』


周りに聞こえないように小声で話してきたのは立花先生。
今は英語の授業。


「いとは相変わらずだな(ボソッ」


『うっさい(ボソッ』


立花先生にだけ見えるようにべーっと舌を出し、席に戻った。


立花 浩史(タチバナ ヒロシ)先生は従兄弟。
昔からいいお兄ちゃんなのだ。
ヘタレが来るまでは浩兄が学園で一番人気の先生だったらしい。
まぁ今でも変わらず人気あるみたいだけど。


浩兄と喋った事で私はスッカリヘタレの事を忘れて、あっという間に学校も終わり帰宅していた。


『浩兄と話しただけで忘れるって、やっぱ今日のは思い違いだね(笑)』


ベッドに寝転び一人で呟いた。


『観察二日目終了、乙。』




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