Love Flower~舞~
2章
嫌いなあの人
誰でも、嫌いな人の1人や2人くらいいると思う。
嫌いな人なんていないと言う人もいるけれど、苦手だと思う人はいるはずだ。
それは、もちろん私にもいるわけで…
「山下桔梗(ヤマシタ キキョウ)です。よろしくお願いします。」
何度同じような挨拶をしただろう。
今ではありきたりのことしか、自己紹介で言わなくなった。
「皆仲良くするように。じゃあ、あそこの空いている席に座ってくれ。」
「はい。」
担任も、中途半端な時期に転校してきた私がめんどうくさいのか、当り障りないことしか言ってこない。
「暫くは、日直が移動教室につきあってくれ。」
そう言って満足したのか、担任はもう既に別の話へと移っていた。