☆生徒会長と幽霊☆
「貴様…………」
廊下を歩いていると、良正君がまるで地の底から、底冷えするような声で私がいるだろうと、思っている“壁“を睨み付ける。
『良正君、私はそこにはいないよ?』
「煩い、そんな事はどうでもいい。貴様、どういうつもりだ」
『どういうつもりも、普通に話しかけてるだけだって!』
そんなに怒らなくてもいいのに!!
ただでさえ普通にしてても怖いのに、怒るとその怖さに拍車がかかってる!!
ズカズカと廊下を歩く良正君を、生徒達は遠巻きに見つめている。
わぁ~……お殿様のおなーりぃ~って感じ??
良正君が歩く度に道ができてる……
「なら、普通に話しかけるな!耳障りだ!」
『ね、生徒会長ってそんなに偉いの!?皆、頭下げたりしてるけど』
良正君の言葉を無視して話す私に、良正君はため息をついた。
「…生徒会長はこの学校では教師よりも権力をもつ。この学校では、生徒主体となって学校を動かす風習の元成り立っているからな」
『ふーん、じゃあ、良正君はこの学校で一番偉いんだ!じゃあ、数学と英語は勉強しなくていい!とかって学則作れたりしちゃう!?』
そうだったら、なんて素敵な権力なんだろー!!
数学と英語は基礎の段階からどこかに置き忘れて来ちゃったんだよねぇ……(笑)