☆生徒会長と幽霊☆


「………ゴホンッ」


キッと眼光が鋭くなる。


あ、怒ってる………?
目が「静かにしろ」って訴えてる。


うわ、始めて見た。
目で話す人……………ははは。


『ごめんって!ほら、頑張って!王様♪』

「お前な……本気で俺を怒らせたいらしい。いいから黙っててくれないか!」

『もー、そんなに怒らなくても!ほら、笑顔、smile~♪』

「うるさーーい!!」


ーキィィンッ!!


良正君の叫び声でマイクの嫌な音が体育館中に響き渡る。


「あ……」

『あ……』


全校生徒、先生達が私達…じゃなかった、良正君を見て驚きに静まり返る。


まずい、二人の時みたいにベラベラと喋っちゃった!!
あらら~、ごめん、良正君!


「………ゴホンッ、新入生はそろそろ、学校生活にも、なれた頃だろう。そこで、来月5月には親睦を深める目的のもと、2泊3日の合宿を行う」


うわぁ~無かった事にして話し始めちゃったよ!!
というか、合宿!?


『わぁ~楽しみ♪』

「……………。詳しい日程は、書面にて配布する。ウォークラリー等を予定しているから、各自学年関係なく楽しむように、以上だ」


「全校生徒、ありがとうございました。それでは、続けて各係りの………」




なんか、良正君先生みたい。
そういえば、全校集会って校長先生の話、とか付き物だけど、ここはないんだな………



なんか、不思議な学校!
面白い!ふふっ、幽霊になって良かったかも、なんて!


壇上を降りる良正君の背中を見つめながら、そう思うのだった。










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