☆生徒会長と幽霊☆


「行ってくる」

「良正君……」


ーガチャンッ


お母さんの良正君を呼ぶ声は、扉によって遮られてしまった。良正君は無言でどんどん歩いていく。


『良正君、出掛けようなんて言ってごめんね…』


少なくとも、私が出掛けようなんて言わなければ、良正君に嫌な思いをさせる事はなかった。



「………お前のせいじゃない、むしろ、感謝してる」

『へ??』


感謝………感謝してるって!?
まさか、良正君からそんな言葉が出るとは思ってもみなかった。


良正君の目の前に出ると、良正君は眉間に皺を寄せている。


『良正君………』


私は、透ける手で良正君の額に触れる。
感覚も何もないけれど、少しでもその痛みが和らぎますように……



良正君、そんな顔しないで?
もっと、良正君が笑ってくれるような事、何か出来ないかな?


いつまで一緒にいられるかは分からないけど、一緒にいられるうちに、良正君に笑顔になってもらえるように、何か思い出を作ってあげたい。


『良正君!カラオケ楽しもうね!』

「フッ、お気楽な奴め」


あ、始めて見た!!
良正君、こんな優しく笑うんだ!!


『良正君、始めて笑ってくれた!笑顔、すごくカッコイイね!』

「は、はぁ!?俺は笑ってない!」


いつも冷静沈着な良正君が、頬を赤く染め、声を荒げている。そんな照れる良正君もすごく可愛い!
こういう風に、色んな良正君の表情が見られたらいいな。



出会った時よりも近づいた私たちの距離。
それを実感しながら、私は良正君との会話を楽しんだ。













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