初夏、満天の星
「ねぇ…紅雨…男の先生だね」
隣の羅夢が言った。
「しかも若いよ。まだ二十代くらいじゃない?」
「だね…しかも英語の担当だって」
「はい。そこ話しない。今から自己紹介カードを配るので書いて下さい」
カードが配られてきた。私はスラスラとペンを動かした。
「書き終わったら、後ろの人が集めてきて下さい」
「うち後ろだし」
「うちも…何で紗羅あんなに席遠いんだろうねぇ」
紗羅は一番前の席だった。私と羅夢は、渋々集めた。
「洸輝って字、綺麗だね」
【水谷 洸輝】洸輝は小学校の時からの同級生。
「そう?!そんなに綺麗じゃないよ」
「別に本音じゃないしィ~♪」
「何だよそれ!」
何時もこんな感じでじゃれあっていた。

-キーン コーン カーン コーン♪
「終わった♪羅夢、帰ろ」
「うんいいよ☆紗羅は何処?!」
「紗羅?…紗羅居ないね」
すると洸輝が、
「荒井だったら、教室出ていったぞ」
「紗羅どうしたんだろうね」
「洸輝ありがと。探しに行こう」
まだあまり慣れてない学校内を探し回った。三階の窓から中庭を覗いたら、中庭に紗羅が居た。
「紗羅どうしたの?」
「うちここらにリング落としたんだよね。あれ悠弥に貰ったリングなのに…」
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