大魔法使いの孫



 「茜良かったな!」


 「うん!」



 「そうだ…茜に言いたいことがあるんだ」



 尚は真剣な表情でアタシを見つめてきた



 尚の両親は


 「用事があるからまたね」


と出て行ってしまって


 つまり尚と二人っきり


 「な、なに…?」


 「…退院したら俺と結婚してくれないか?」


 ……け、結婚!!?



 「けど、付き合ってもないのにいきなり結婚って…」


  早すぎない!?


 嬉しいけれども


 「確かに早すぎるかもしれない。しかし、俺はこれからも二人でたくさんの困難を乗り越えていきたい」


 どんな困難も…二人で


 「…アタシでいいの?」


 「お前が良いんだ」


 ………もう、やめてよ


      嬉しすぎるじゃん



 「…こんなアタシで良かったら」


 「じゃあ、決まりだな(笑)」


 この一年、大変なことばかりだった


 魔法界にいきなり連れて来られて、魔法の勉強して、


 生死の間をさまよったりもした


  普通ならあり得ないこの体験


 尚とだからかな?


 乗り越えられたのは



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