On Your Mark
校庭に着くと、いつもの食事の場所ではなく、女の子を運んだ教室に明かりが点いていた。

他には明かりは点いていないので、どうやら二人ともそこにいるようだった。


「今日はここで飯か?」


教室に入ると、運び込まれた体育館の倉庫にあったマットの上に女の子が横たわっていた。

その脇では、二人ともばつが悪そうにして立っていた。


「なんだ、なんだ、二人ともしけた面して。

さっさと飯食おうぜ」


「・・・ツバサ」


「・・・」


イビルの言葉に、僕たち三人は無言で教室の廊下へと出た。



風が止み、異様なほど静かになった。


「もう、分かっているよね」


「・・・ああ」


「・・・」


イビルの質問にレイは珍しく冷静に答えたが、僕は何も答えなかった。


「ツバサ・・・正直に答えて」


「・・・ああ」


分かっていた。



質問の答えを分かっていたが、それを回答したくなかった。
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