On Your Mark
「まあ、いいじゃないか・・・

でも、そろそろ移動手段を変えたほうがいいね。

ペスチニアが第四防衛ラインを襲撃するまであと一時間ほど、それから僕たちを追ってこられたらすぐに追いつかれてしまう」


「そんなこと言ったって、歩く以外に方法は無いって言いだしたのはイビルじゃん」


僕は息を切らしながら精一杯の強がりと、不満のようなものを口に出した。

その言葉に耳も貸さずに、何かを真剣に考え込んでいた。


「ここは何年か前に戦闘があったから、何かしらの残骸があると思うんだけど・・・

ツバサ、レイ、移動用のジープか何かが残されている可能性があるから、急いで周りを探してくれないか」


「へーい」


やる気のない返事をし、とりあえず僕は立ち上がった。

すると僕たちにつられるかのように、女の子も立ち上がろうとした。


「君はこのまま座っていればいいよ」


優しく肩に手を置き、言葉が伝わったことを確認し、辺りを散策し始めた。
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