On Your Mark
二つの敵
出発してから四時間ほどが経ったところで、僕たちは初めて足を止めて休憩を取った。



あれから僕たちは三時間仮眠を取り、日付が変わるのと同時に第四防衛ラインを後にしたのだ。



第四防衛ラインに配備されるときに使用したジープは、何かしらの仕掛けがある可能性が高い。



飛行艇では両軍のレーダーに引っ掛かり、危険過ぎる。



この二つのことをイビルが予測し、僕たちは歩いて移動をすることにしたのだが、これが予想以上に辛かった。

こんなときだけだが、訓練をさぼらずに真面目に受けておけば良かったと思えてしまうほどだった。


「ったく、ツバサはだらしないな」


疲れを全く見せずに仁王立ちするレイが、ほんの少しでも頼りに見えてしまう。
< 16 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop