On Your Mark
僕たちはゆっくりと着陸し、目の前に広がる緑色の絨毯に思い切り寝転んだ。



青く、美しく広がる空。



いつまででも眺めていたい気分だった。


「ペスチニアもユーシチールも、昔はこんなんだったのかな?」


「さあね。

けど、最初から今みたいではなかったと思うよ」


「だろうな」


「なんで・・・なんで戦争かなんかしているんだろうな。

たくさんの人が死んで、たくさんの人の希望が失われ、たくさんの人の夢が壊れてしまった」


「そうだね」


「くだらねえよな」


「平和って、何だろうね」


「この美しさが平和じゃねえのか」


「この空を、この大地を、このウミを・・・

この世界を見たら、戦争なんてくだらないって気付いていくれたらな」


風が吹くまま、僕たちはただ寝転がって空を眺めていた。

その青さに時折吸い込まれるようになるが、それすらもできないあの世界が虚しく思えてきた。

そして、そんな世界にたった二ヶ国しかない、その二ヶ国が戦争をしているという事実が寂しかった。
< 50 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop