心の裏側と素肌の境界線を越える為に
美佳に連れられてやってきた軽音部の部室は、女だらけだった。

どうやら、男の部員はいないようだ。

そんな女だらけの軽音部で、なぜか…一曲だけ歌うことになった俺を、部員がじろじろ見た。

一応、俺の簡単な紹介が終わると、

美佳はいっしょにバンドを組むことになるメンバーに言った。

「こいつは、一曲だけだから…練習は、いきなり合わしてやるぞ」

部室から、隣にある簡易スタジオに移動すると、美佳はドラムセットの中に入った。


「ねえねえ〜」

ベースの綾瀬がチューニングを合わせながら、ドラムセットに近づき、美佳に耳打ちした。

「あの人…美佳の彼氏?」
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