心の裏側と素肌の境界線を越える為に
校舎から、よろよろになりながら、飛び出した俺は…裏口を見た。

片桐がいたら、裏口から帰るのだが…。

駅に近い正門に向かって、歩き出した。

片桐も…多分、正門から帰ったと思うし。


とぼとぼと疲れながら、正門に向かって歩き出した俺は、

途中で足を止めた。


なぜだろう。

心がざわめいた。


俺は振り向くと、走り出した。

全力で。

どうしてかは、わからない。

そんな気がしたのだ。


何時に練習が終わるか、わからないのに…。



彼女がいる気がしたのだ。

待ち合わせもしていないのに。

俺は…足がもつれて、転倒しそうになりながらも、

裏口へ走った。
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