心の裏側と素肌の境界線を越える為に
「え?え?え?」

それでも、訳がわからない俺から、麻衣は手を離すと、

「太一の鈍感…」

小声で聞こえないように呟いた後、フンと前を向き、俺に告げた。

「でも、持つのは、来月からよ」

「え!」

俺は少しパニックのまま、

「まだ…二週間もある」

「それくらい我慢しなさい」

麻衣は俺を追い抜くと、

「あたしだって…。我慢するんだから」

また小声で言った。


「二週間か…」

これで、やっと会えない時も声が聞けると思ったのに。

残念そうに肩を落とす俺に、麻衣は振り向くと、

「でも、携帯持ったら…しつこく電話するかもしれないよ」

少し意地悪そうに言った。

だけど、俺は平気な顔をして、

「大丈夫」

と微笑んだ。
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