歪な愛のカタチ
「あれ?」
「あれ?じゃないし…だいたい仁、私が生理だったの知ってるじゃない。有り得ない事言ってないでさ」
「有り得ないってなんだよ~。俺はいつでもお前の返事待ってるのに…」

プロポーズをずーっと保留にされている身としては、聞き捨てならない発言にちょっと拗ねた気分になる。



「それは悪いと思うけど…仁が言うように赤ちゃんできたら、暫くエッチなんかできないんだからね?分かってる?」

俺よりも一枚も二枚も上手な杏奈の言葉に息を呑む。



「生理の一週間待てない人が、何ヵ月も待てる?」
「うっ…」
「浮気なんかしたらチョン切るよ?」
「恐ろしい事言うなよ!だいたい、浮気なんかしねぇし!」

テーブルにバンッと手を付いて言い返した。


お、俺ってばカッコイイんじゃね?杏奈のヤツ、惚れ直しちまうな、と思いながら杏奈を見れば、あぁもう、また仁に誤魔化される所だった、とか言って俺をキッと睨んできた。



「あれ?」
「あれ?じゃなくてね。私、怒ってるんだよね」
「え?…杏奈?」
「心当たり、ない?」

小首を傾げて問われる。
杏奈の可愛い仕草にグッときたけど、その言葉はいただけなくて。



「杏奈に怒られるような覚えなんかねぇぞ?」
「………………へぇ…」

自信満々に言い切った俺だけど、杏奈の「間」にヒヤッとする。
一瞬にして脳内がフル回転をして、あれか?いや、あっちか?と思い当たる事を全て弾(はじ)き出した。

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