歪な愛のカタチ


「あ、えーと……もしかして…巨乳人妻いけないセーラー服…のDVD…ですか?」
「……………………………最低」

コソッと聞いたのは間違いだったらしい。


瞬殺されそうな睨みを向けられながら、自滅したらしい自分の浅はかさに息を呑んだ。
それでも、このままじゃヤバイ!と焦って立ち上がる。



「杏奈怒るなよ。あれは…嫌なら捨てるから!な?だ、だから頼む!」
「そんな悲しそうな顔しながら言われても…別に捨てなくていいし。寧ろ、ずっと人妻見てれば?」
「ちょ、杏奈なに言って!」

杏奈の女の子の日が終わるのを首をながーくして待ってた俺に、杏奈はなんだか恐ろしい事を口にするから。
なのに、立って杏奈を抱き締めに行こうとした俺の行動を、先読みした杏奈は手のひらをかざして俺の動きを封じた。



「あぁもう!そんな話じゃなくて!」
「なに?なんなの?」
「仁さ、変な標語送ってこなかった?」
「は?…変てなんだよ?普通に送ったけど?締め切り今日まで、って言うし」

昼過ぎの後輩とのやり取りを思い出して、それでも別段杏奈が言うような覚えはなくて、首を傾げる。
お前も出したんだろ?って当たり前に聞けば、出したけど!仁のせいで恥ずかしい思いしたんだから!って、杏奈がいきなりキレた。



俺のせい?って思うけど全然身に覚えがなくて、俺は昼の出来事を思い出した。


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