歪な愛のカタチ
「安全確認週間だから間違ってねぇんだけど…仁さんの話毎日聞いてる俺としては、絶対普通には聞こえねぇし」
「お前、よこしまだなぁ。普通だよ普通」
「んなワケないっすよね。毎日毎日、彼女が……あれでできねぇとか、あと何日とか……いつから安全日だから、とか言われ続けりゃ、まともな言葉にゃ聞こえないっしょ?」
「あ、お前、想像すんじゃねぇぞ!!」
「想像って…」

真面目な顔して言ってる俺を嫌そうに目を細めて睨む耕太。


だってそうだろ?
杏奈は同じ会社の秘書課の人間だから、耕太だってよく知ってるのだ。



「ぶっちゃけ仁さん、週何日彼女とエッチしてんすか?」

お前それぶっちゃけすぎだろ、って言いながらも、耕太には結構なんでも喋ってる俺。
会社の後輩なのに、なんでかやたらと気が合って、普通に飲みに行ったり、プライベートでもツルんでたりするから。



「俺的には毎日で全然オッケーなんだけどな…アイツがムリ!つーから、基本週五?」
「……獣みたいっすね」
「なんでだよ」
「それって昔から?」
「昔?」
「ほら、依存症…みたいなヤツいるでしょ?」
「あー、いや、杏奈と付き合うようになってから、だな。大学の頃はさ、彼女にそんな雰囲気出されると面倒くせぇな、って思ってた事もあったよ」
「マジっすか?」

耕太がマジで驚くから、なんだでだよ?って問い返せば、あーなんかうちは今倦怠期なんで、とか言いながら溜息を吐き出した。



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