魔王の娘が勇者になりたいって変ですか?
「そうね……
 兄さまなら、モルテのひとりやふたり!百人や二百人!!
 襲ってきても返り討ちにしちゃうわ!」

「その意気だ!
 まぁ、流石にそんなに大人数の数相手に束になってかかって来られると困るだろうがな」

 かみさまは、そう言って豪快に笑った。

「あはは……
 百人は、言い過ぎか……」

 万桜もクスリと笑った。

「では、バルド殿の待つ焼肉屋に向かおう」

「うん!」

 万桜はかみさまの隣を歩きバルドの待つ焼肉屋に向かった。
 万桜は、久しぶりに焼き肉を食べ堪能した。
 そして、休日は身の回りのものを買うだけであっという間に過ぎた。
 万桜は、男女共有の兵舎にて寝泊まりすることになった。
 兵舎と言っても見た目も中身もマンションそのものだった。
 そして、人類は天使との交渉が着々と進めれる。
 その一報が、ガウルに伝えられる。

「そうか……
 了解した」

 ガウルが、そう言って無線を切った。

「どうなることになったのですか?」

 それを通信兵のレインが、ガウルに尋ねる。

「アンゲロスと手を組むことになったようだ」

「そうですか……」

 レインは、小さくうなずいた。

「驚かないんだな」

 ガウルが、そう言うとレインは静かに言葉を返した。

「ある程度予測していたことですし……
 それに、できれば敵対したくない相手ですしね」

「そうか。
 まぁ、アンゲロスは元々人に友好的な天使たちだ。
 仲良くやっていければそれでいいのだが……」

「なにか気になることでもあるのですか?」

「ああ、ファルシオンが動かないことが少し気になってな」

「ファルシオン……?
 世界最強国家ギルドの……ですか?」

「ああ、そうだ……
 ファルシオンも参加してくれると今回の戦争は、かなり楽になるのだが……」

「なかなか難しいでしょうね。
 ファルシオンは、日本だけのものじゃありませんから」

「そうだな……
 まぁ、どちらにせよ俺らは俺らの戦いをするまでだな。
 レイン、バルドたちを呼んでくれ、これからの作戦会議をする」

「ヤー!了解です」

 レインは、そう言ってバルドたちを艦内放送で呼んだ。
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