魔王の娘が勇者になりたいって変ですか?
「これから戦争は、激しくなるだろう。
 だからこれからは、俺は直々に万桜、焔、シエラ、かみさま。
 お前らの教官もすることになった。
 よろしくな。
 んでだ、ついでにアンゲロスの方のガキどもも一緒に面倒見るぞ?」

 バルドの提案に一花は、苦笑いを浮かべてこう言った。

「ごめんなさい。
 丹歌とアスカってこが、万桜さんたちと同じくらいの実力だと思うのだけど……
 あの子たちは三剣を使いこなす技術を叩き込んでいる最中だから……」

「そうか、なら仕方がないな」

 バルドは、そう言ってニッコリと笑う。

「んでだ。
 いつ日本上空に来るのかわかるのか?」

「さぁな。
 そこまでの情報は入ってきてねぇ」

 かみさまの問いにバルドが答える。

「そうか……
 まぁ、向こうもいつ襲撃するかなんて情報は流さなだろうしな」

「そういうこった」

 バルドがケラケラ笑う。

「カリスには、人は住んでいないんですか?」

 万桜が、心配そうに尋ねる。

「安心しろ。
 カリスは、無人要塞だ。
 テオスの幹部たちの遠隔操作によって動いている」

「そうですか……
 なら、遠慮なく暴れますね」

「だが、無人要塞でもニワトリはいる。
 十二分に気をつけるんだぞ?」

 ゼンが、そう言って万桜の方を見た。
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