初恋　二度目の恋…最後の恋
　メニューの全部がテーブルに届くと、折戸さんは小林さんの方を見ると優しく微笑んでから、グラスに注がれたミネラルウォーターを口に含む。グラスに入ったミネラルウォーターを飲んでいる姿も様になっている。この料理ならワインが合うのだろうけど、今日は車で来ているから、折戸さんはミネラルウォーターを頼んだのだった。


　炭酸の含まれたミネラルウォーターはシャンパンのようにさえ見える。


「蒼空。次は何にする？」


　私はお腹いっぱいだけど、小林さんはまだ足りないだろう。それがわかっている折戸さんはもっと何かを食べるようにと小林さんに促したのだった。


「折戸さんと坂上さんは？」

「俺はもういいよ。坂上ちゃんはどう？」


　そんな折戸さんの言葉に私も頷きながら答えた。さすがにこれ以上は入らない。どれもこれも美味しくて少し食べ過ぎなくらいだった。


「私ももうお腹いっぱいです」


「蒼空。遠慮しないでいいぞ」


　そんな折戸さんの言葉に小林さんはニッコリと笑う。そして零した言葉に私は驚く。


「じゃ、ポロネーゼを一つ」


　小林さんがポロネーゼを食べている途中に私と折戸さんはコーヒーを飲むことにした。デザートも勧められたけど、さすがにこれ以上は無理。でも、さすがにブラックコーヒーではなくふわふわのミルクがたっぷりのカプチーノにした。


「美味しいです」


「それはよかった」


　折戸さんは美味しいという私を見ながら、嬉しそうな顔をしていたのだった。　
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