初恋 二度目の恋…最後の恋

「おはようございます。金曜日はありがとうございました」


　私がそう言うと皆口々に言葉をくれる。たった一回な飲み会が距離を縮めてくれたのは明らかだった。みんな一斉に私の方を見るとニッコリと笑いながら、


「おはよう。」
「金曜日はお疲れ。」
「坂上ちゃん。おはよう。」
「おはよう。」
「おはよう。金曜日は大丈夫だった？」



「大丈夫でした。家に帰ってゆっくり寝ましたから。」　


「蒼空はきちんと家まで送ってくれたか？」



　金曜日の夜のことを思い出す。


　最初に私を折戸さんが送ってくれるということを言い出した。でも、聞いてみると、住んでいるマンションは全くの反対方向で、送って貰うには申し訳ない。


　それでも『坂上ちゃんに何かあったら大変』と言って譲らない。


　私は全然酔ってないし、まだ終電もある時間だから電車で一人で帰るつもりだった。だけど…折戸さんは許してくれそうもない。そんなやり取りをしていると、高見主任が無駄にフェロモンを撒き散らしながら言った。酔いが残る間は高見主任はこんな風なのかもしれない。


「方向的に蒼空が一番近いから家まで送ればいいだろ。蒼空、坂上さんを送ってくれるか？」


「別にいいですよ。折戸さんがよければ…。」