初恋 二度目の恋…最後の恋
「俺はいいけど、坂上さんは俺が一緒でいいの?」


 私も折戸さんと二人でというよりは一緒に居てくれたほうがいい。さすがに二人というのは緊張してしまう。私が頷くと小林さんは太陽のように笑っている。そんな小林さんを見て折戸さんもとっても楽しそうで…。折戸さんにとって小林さんの存在がただの会社の後輩というだけではないのが二人のやり取りをみて分かった。


「ほら、坂上ちゃんもいいって言っているから、一緒に行こう」


 折戸さんの言葉に小林さんはさっきよりもニッコリと微笑む。


「じゃあ、俺もついていこうかな。折戸さん何か美味しいものを食べさせてよ」


「ああ。任せとけ。人数は多い方が楽しいから、大歓迎だよ。でも、蒼空。お前は後ろだからな」


「別にいいですよ」


「あの。私が後ろでいいです。小林さんが前に乗られてください」

 
「じゃ、そうしようかな」


 助手席に小林さん。後部座席に私を乗せた折戸さんの車を駅を離れ、スムーズに流れに乗って走っていく。折戸さんの運転は同行した時に乗った時も思ったけど丁寧で優しい。それにとっても上手い。


 信号で車が止まると折戸さんはバックミラー越しに私の顔を見つめ、綺麗な顔で微笑む。私がどうしているのかを気にしてくれているのが分かった。


 車内に流れるのは洋楽でそれをバックに流しながら、折戸さんと小林さんの会話は弾む。


 仕事の話もあるけど、ごく普通の話もしていて、テレビがどうとか雑誌がどうとかと楽しそうの話をしていた。


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