☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆

 一日の終えるチャイムが鳴った。
 もう少ししたら小雨になるかも……。
 茶碗子はそんな都合の良い事を考えて独りで教室に残る事にした。

 「……」
 
 教室から人が減って行く。
 みるみる減って行く。
 人が減って行く度に気持ちが楽になる。
 それはまるで排泄物が体の中から出て行く感じで。
 数十分後。
 茶碗子は独りになった。

 「……」

 雨は弱まるどころか勢いを増していた。
 窓側の一番後ろの席に居ては雨音がウルサすぎる。
 茶碗子は立ち上がり廊下側へ向かった。

 「……」

 廊下側の一番前の席。
 箸矢涼の居た席。

 「……」

 茶碗子は箸矢涼の居たその席に近づいて行った。
 机に手を触れた。
 指を滑らかに這わせた。
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