彼の正しい扱い方


「何で、他の教科は90点こえてるのに化学は50点台なんだ」


「いやーあのーそれは・・・」


化学が1番苦手なんです、大嫌いなんです、
この世から無くなって欲しいくらい嫌いなんです。


なんて言ったら先生にも、世の中の化学者にも
殺されそうだ。


「化学が、苦手分野でして・・・」


「ふーん。苦手分野ねー。」


先生が不敵な笑みを浮かべる。


「これ、毎日書いて俺に提出すること。」


私の目の前に出されたのは、
意味不明な記号、単語などがずらーと書かれたプリントだった。


「あのー、これは?」


「化学の点数だけ悪かったら俺の教え方が
悪いんじゃないのかって言われるんだよ」


「で、言われないためにもこれをして
いい点取ってくれってことですか?」


「まぁ、簡単に言えばそういうことだな。」



課題というやつだ。
この人は、私を苦しめたいのか?!


「まぁ、がんばってくれ。期待してるぞ。」


と言うと、先生は私の頭を2回ほど
ぽんぽんと叩いた。


今、私の顔はゆでだこ状態になっているに違いない。


「し、失礼しました!!」


私は、足早に職員室を後にした。


< 7 / 7 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop