クレームの女王
「どうか、これからも当店をよろしくお願いします。
それから…」

店長は懇願するように顔を上げた。


「くれぐれも今回の不幸な事故をネット等で
話題にしないでいただきたいと…」


素早く立ち上がった店長はまた床に座り
額を押し付けて土下座する。


「これからもご家族ご友人ともども当店を
ご利用いただきますようお願い致します!」


麗華は店長の様子を見て悟った。


ここまで低姿勢の人間をこれ以上責めることはできないと。


幸い祐樹の怪我も大したこともないし
ここは封筒をもって速やかに退散した方がよさそうだ。


麗華は荷物をもって立ち上がり
かろうじて上から目線を保ちながらこう言った。


「わ、わかりました。これからは気を付けてくださいよ!」


祐樹の手を引いて逃げるように事務所をでていく麗華。



店長は麗華が出ていく瞬間もずっと
土下座をしたままだった。


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