クレームの女王
でも麗華は日々の生活の中に
一つの明かりが灯ったような気がしていた。


毎日同じことの繰り返し。
無間地獄を彷徨う亡者のように


気怠さと虚しさから抜け出せない毎日。


そんな日々を送ってくれた麗華のささやかな希望。
それは二万円という現金だった。


祐樹が洗濯物の上で飛び跳ねて遊んでいる。


いつもなら鬼のように祐樹をしかりつけるところだが
麗華はにこにこと祐樹が遊ぶ様を見つめている。



心に余裕ができると人を許すことが出来る。



逆に心に余裕のないギリギリの生活を
送っている者はわずかな過ちでも
許すことが出来ず怒り出す。


麗華は今そのことを嫌というほど
実感していた。


羽が生えて自由に空に飛び出したような気分の麗華。


しかし麗華はイカロス。


地上にたたきつけられるその日まで
麗華はもがき続けるだろう。






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