クレームの女王
赤やピンクで描かれたブランドのロゴが
たまらなくかわいい。


それまでの伝統的なブラウンの色から
脱却した白にマルチカラーが配色された


オシャレな財布。


すべてが麗華の好みに合っている。
まさに麗華にとっての究極の財布だった。


財布の写真を拡大してうっとりと見つめる麗華。


しかし写真の下にある価格を見て
麗華のテンションは再び静かに下がっていった。


十二万円。


その値段は正規の店から買うより
少し安くはなってはいるものの


やはり今はまだ手が届かない品物だった。


麗華はあきらめてスマホを置き
封筒に入れた二万円を


自分の卒業アルバムにはさんだ。


そう。麗華はやっぱりへそくりを
することにしたのだ。


実は最初からそうするつもりだったし
ブランド物の財布が二万円では

到底買えないことも知っていた。
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