華道~小悪魔年下男子と同居!?~




ガチャ




ドアを開けると唯は
私に背を向けるようにベッドに
寝転がっていた。




そこに私は何も言わずに近づき
ベッドに腰かける。





唯は私に気づいてるのか
気づいていないのか分からないまま
数分くらい沈黙が続いた。






夕日のオレンジ色が窓から
差し込んで明かりの無い
この部屋に温もりを与える。



そんな時_…






「あの男の事、好きなの?」





唯がまだ私に背を向けたまま
呟いた。



私は突然の質問にびっくりしたけど
すぐに笑う。




「あはは。別にそんなんじゃないよ。
 涼介とは幼なじみだから幼い頃から
 一緒だから、家に入れるだけ。
 他の男だったら簡単に家に入れないよ」




私は目についた唯の茶髪で少し
ワックスとかで整えられた髪を撫でた。





「俺、嫌だった。俺がいない家で
 何かしてるって思うと」



やっぱり勘違いしてる。。



ごめんね、唯。



「違うよ。実はね今日涼介が家に来たのは
 唯の様子を見にきただけなの。
 だから唯に変な迷惑かけたくなくて
 涼介がいるときに帰って来ないようにと
 思って…ちゃんと理由も言えば良かった」




私が言うと唯は私の方に
寝返りをうち、さっきまで唯の髪を
撫でてた私の手を握ってきた。




唯の綺麗な瞳が私を捕らえ
少し揺れる。




「良かった。」




唯はそう言って私を引き寄せた。




「…?!唯??」




唯の綺麗な顔。
唯の甘い香り。


全部が近い。




唯は私の瞳をじっと見つめてきて
そして_…






ちゅ










唯と私の唇は静かに重なった。






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