優*雪

セツ



目覚めたら、睦が目の前に…

「ふひゃあー!!」 ゴン。

飛び起きたから、睦とおでこをぶつけ合う

「いっでぇー!お前バカだろ!?」

「いやいや! つぅー!驚くやろ?」

「セツ…いてて
ちょっと雪と話せるか?」

「んーー?いやや」

「なんで?」

「いややから」




「…記憶に障害がでてる」

「そう」

「そうって、お前…」

「大丈夫やから!
うちも雪も平気やから!
あれ?
うち、自分で帰ってきたん?」

「俺が連れて帰った」

「そう」

「大阪いかんとずっとここにおらんか?」

「うち、慶喜の近くにおりたいねん」

「言ってることが、めちゃくちゃやぞ?」

「うちの中でちゃんとしてる」

睦が抱きついてくる

「守りたいんや」




「睦君に守られてばかりの子供やない
うちかて、守りたいんや」

「なにを?」

「孝兄!と慶喜!と新選組!」

「だからってお前が壊れたら……」

「ふふふっ。壊れへん!大丈夫!」

「死のうとか…考えてへんか?」

「うん!!寿命まっとうするよ!?」

「信じてええな?」

「うん!嘘いわへん!」





~残りわずかとは、言えないけど
 ちゃんと生きるよ! 睦!


睦が安心するようにと

びきりの笑顔を見せた

睦も笑顔を返してくる


~こんなふうに笑えるのも、あとわずか…






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