優*雪




「なぁ。ありがとな」
「ん?」



新選組のこともだけど



「戻ってきてくれて…」
「こちらこそ…ありがとう」

「は?」
「総司から、きいてんだろ?」

「あぁ。お前は お前だろ?」

「そういうの嬉しい!」

素直なこいつは男でも、かわいい

だから

「どんなお前だろうと好きだよ!」

言ってしまった

一瞬、哀しそうな顔して


「今だけ、許して。」

覆面取りだした

とったら雪か?
あったことねぇぞ?

焦る俺の顔を両手で挟み

触れるだけの軽い口づけ…



すぐに離れて、にこっと笑う


「仕返し」


本当、こいつにはかなわない
これが惚れた弱味ってやつだ

だから、俺のことも許せよ!?

思い切り抱きしめて
今度は俺から深い口づけ…

「んっ…ふぅん…んんっ」

お前/// 真っ赤じゃねぇーか!


「仕返しだ!」

「土方さん…ずるい」

いやいや、お前だろ?


「慶喜のことは、どんなに頑張っても
愛せなかったのに、こんなに簡単に
心持っていくんだから」

やっぱり、ずるいのはお前だ!

俺の事、好きみたいに聞こえる!


「でも、男でいたいから」

「総司とは、女でいるのに?」

「ひどい奴だと、嫌いになっていいよ」

「どんなお前も愛してるよ!」


強引に口づけをする

「んんんっ……んっ」

「拒めよ」



離したくなくなるじゃねぇーか



「ごめん。今まで通りでいて?」


わかってるよ
二度も死なれちゃたまんねぇ



「あぁ。花見の時は、雪之介でこいよ!」

「ありがとう 帰るな!」

「気をつけろよ!」




あいつのぬくもりが


口に残る甘い味が


もっと欲しい

俺だけのものにしたい



俺、あいつに溺れてんな……


仕事するか……


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