優*雪

道場に着くまでに何回も転けかけ
その度に雪に支えられる

道場までが遠く感じた

道場についてから、座り込んだ

「疲れる……」

「慣れたら、何ともないよ
面のが楽だよ
表情読まれずにすむから」

雪が面を外してくれるが……

ちけぇー!!!

紐ほどくために、覗き込む!顔近すぎ!!




「土方さん、赤鬼みたい!!」

「総司てめえ!!」


俺、真っ赤だろうな


「苦しかった?」

「いや、暑かっただけだ」


ごまかした


「土方だけでは、雪に勝てまい
そうくんも一緒にしたらいいよ!」


慶喜様… 総司の剣術みたことないだろ!


「いいよ!!」

おい!雪!そこは断れ!

雪が面をつける

木刀を持ち、先を床につけ、俯く

俺がみても雪の姿が格好いいと見惚れる

審判員は左之

雪は、永倉と斉藤に勝っている

だが、今回は面をつけて、相手も二人


「はじめ!!」

出方がわからねぇ、思い切り俺の木刀を受け止めているとこを、総司が攻めるか


俺から動く!


木刀を振り下ろす瞬間に、木刀の向きをかえられた!やべぇ!

すぐに、間合いを取り直す

あのまま打ち込んだら、斉藤の時みたいにやられていたな


「土方さん!一緒に行ってみましょう!」


総司の目が本気だ!


雪はゆらっと木刀の構えをかえた


なるほど、面で表情がわからないってのは、やりずらいな


どこ見られてるかもわからねぇ



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