優*雪
手柄を立てる

鬼面


彩月の頭をなでた後、優太が言う

「報告はするな
今回の仕事は、浪士組のものだ
この後、潜伏先を叩くが
これは浪士組の手柄 異論はないな」

「はい」

彩月の返事の後、天井から鬼の面をつけた忍が降りてきて、彩月に手刀をトン!
崩れる体を鬼面が、肩に抱き上げる

鬼面は優太に黒い布を渡した

優太は、土方たちに背を向けたまま
手ぬぐいを外し、いつもの黒覆面になり
ぐるりとむき直した


土方たち三人は、色々驚くことが多すぎた




鬼面が彩月を担いだまま、土方たちの前に跪いた



「この者をお助けいただき、ありがとうございます。潜伏先は後ほど優に知らせます
潜伏先は浪士組が到着するまでうちの者が見張ります
優、悪かったな」

「酒か団子で許そう!」



無表情で鬼面の肩をポンと叩いて、三人に目を向ける




「まだやることありますよね?」



土方たちは、隊士をほったらかしたことを思い出し、慌てて部屋を出た


土方が振り返ると、鬼面と彩月が消え
優太だけこちらを見ていた





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