優*雪

非番

翌日


日も昇りきった頃、優太は目を開けた


(あ~あ。倒れたな~。)


てっりき司が運んで、看病してくれていると、思い込み横に視線をやり、固まる!


「掟破ったのか…。降りてくんなよ?!」


「誰のせいだよ?あぁ?」



「俺…?」



黒鬼が頷く



「看病ありがとう」

「まだ、具合悪いのか?」



がっつり怒られる覚悟で、突っかかったのに……優太が素直すぎて、黒鬼が引く



「失礼だな!」



結局、司の話きいてないな。とか、色々考えたけど…
今日の用事を思い出した優太

素早く着替えて、覆面つけて準備している。
「今日は寝てろ」と言われても気にしていない。




「優太の様子どうだ?」



足音は二人分、土方と沖田がきた

優太は襖を開け、頭を下げた

「ご迷惑をお掛けしました」

「迷惑だなんて…。心配したんですよ?」

優しく言う沖田


「出掛ける気か?」

土方が眉間に皺を寄せる


「ね?体調管理できないでしょ?」


黒鬼が威張る



「俺…非番」


「あぁ。今日は月に一度の非番ね?
仕事じゃないなら、尚更 寝とけ!」

「嫌」
「じゃあ、着いてく」

「嫌」
「また倒れたら、どうすんだ?」

「…。」
「着いてく」

「忍に着いてこられたら、困る」
「どこ行く気だよ?」

「…。」
「掟破りか?」

「だから、困る」
「毎月、掟破りしてたのか?」

「忍でなければ、着いていってもいいんですか?私も、非番なんです!」

優太と黒鬼のやり取りに、沖田が入る

「そりゃあ、名案だな!」

土方がニヤリと笑う

「一人で平気です」
「んで、また、倒れんのか?」

「ご一緒するだけです
邪魔しませんから…」

「そうしてもらえ、優!」

「……お願いします」

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