優*雪

土方と優香

久しぶりに優香に会いに来た

優香は「お久しぶりどす」

あいかわらず、笑うと幼い


一度体を重ねたからか、俺はためらいもなく、すぐに優香を抱いた



左向いて横たわる優香を、後ろから抱きしめていた


優香は、寝てしまったと思っていた



だが……

優香は窓の隙間から見える月に、右手を伸ばしていた…

月を捕まえるのか?

なにかわいいことやってんだ?

顔を見ようと優香をこちらに向けた




泣いてる……?



「どうした?」
「わからないんどす…。」

「なにが?」
「なんでか…涙がとまら……」

優香に口づけをした

「好きだ」

見開かれた優香の目からは、新たな涙がこぼれる

俺はそれを拭い、もう一度口づけをする

「優香が好きだ」


驚き、涙が止まったらしい


もう一度、優香を抱いた……












最後になるとわかってたら、もっと優しく抱いたのに……



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