私を惚れさせて。私の虜になって。
嫌いなの。
「松木ー、帰ろー」

まーくんが、ひょこっと顔を覗かせる。

「おう」

松木はさっと立ち上がって、帰り支度を始めた。

「んじゃーなー、すがちゃん」

「菅原また明日ー」

「バイバイ。明日は行かんよ。」

「こいよ。チョコ持って来いよ」

「尚更行かねーよ」

手を振ったら、扉が閉まった。

しんと静まり返った自習室。

はぁ、勉強、しなきゃ。

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