私を惚れさせて。私の虜になって。
「なんで、よ」

こんなときに。

私は、キスより…。

「まー!?大丈夫かお前!?」

松木の手は完全に私から離れてしまった。

「あぁ…。だいじょー…ぶ」

「大丈夫じゃねぇだろっ。あっつ…。ほんと、やべぇな」

「へーきだって…」

「まーくん?どーしたの?」

心を落ち着かせて。

「熱だ」

「顔、赤いね…」

私の、せいだ。

「なんか、ごめんね…」

「だいじょーぶだって」

「もー、借りるぞ。これかけて寝とけ」

私の膝から学ランをとって、まーくんの体に掛けた。

「おう…。ごめん」

「はいはい。おやすみな」

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