私を惚れさせて。私の虜になって。
そんなとき、どこからか放送が流れた。

『もうすぐ避難に移ります…みなさん……』

あたりが、ざわつく。

歓喜のような、声がする。

「やったな!」

ハイタッチを求めてくるまーくん。

「…そだね」

「準備ゆってもなぁー、そんなもんねぇしなぁー」

松木だって、嬉しそうな声を上げている。

「…そだね」

私は、テンションが上がらない。

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