私を惚れさせて。私の虜になって。
たくさんの人が、狭い道をずらずらと歩いている。

私は何故かすぐに足が動かなくなった。

やっぱり、下になんて…降りたくない。

考えれば考えるほど、いやに決まってる。

「どうした?疲れた?」

優しく聞かれたけど、私はただ首を振る。

「早く帰ろーぜー?何してんだよー」

ほら、まーくんだって怒ってる。

私は本当に、どこまでも邪魔者なんだ。

「じゃあ先行ってろ馬鹿」

「はぁ?馬鹿ってなんだよ。流れ逆らってるそっちのが迷惑だわ」

喧嘩。

私が、馬鹿だから。

なら、それなら、

早く帰って、しまおうよ。


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