私を惚れさせて。私の虜になって。
「ずっと?」

すごい、時間かかるかもしれないのに?

「ずっと」

「…うん」

もう体育館を出るけど、外履きの靴なんてない。

お財布も、学校かばんも。

お母さんも、優葉も。

何もなくなってしまった…けど、

けど、

「菅原は、家着いたらどうすんの?」

優しさを知れた。

「…どうしようね」

なんて言っても、空っぽの家にいるしかないんだと思う。

だってそれ以外、行くとこなんてない。

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