私を惚れさせて。私の虜になって。
松木まで布団にすっぽり埋まっている。



「ねぇ、なんでこんな………んっ…」

あっまくて、

「んっ……やぁっ…」

やさしくて。

「大、……好き」

「んなこと言うな馬鹿」

罵りやがって。

「俺のが好きだ」

離れた唇でも、すぐにくっつく。

何度も、何度も。

私の頭を強く押さえて、離してなんか、くれなくて。

いつまでも、いつまでも。

布団がごそごそと音を立てていた。


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