私を惚れさせて。私の虜になって。
ぎゅって松木にくっついてる時間が、

大好きで、たまらない。

だからこそ、


怖いんだ。

「おい。着くぞ。寝てんの?」


怖いから、知らないふりをして、

「起きて。すがちゃん」


知らないふりをすれば、手を握ってくれる。

知ってるからやるなんて、ずるいかな?

「…ん」

「はよ」

「着いちゃったの…」

もう、1人じゃん。

「着きたくなかったの?」

「…うん」

顔を埋めちゃえば、誰も私のことを見れない。

「ずっとここにいるから」

「うん」

渋々ちゃりを降りて、


1人。

「いってら」

「うん」

手を振ってくれたから、

頑張れるよね。

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