私を惚れさせて。私の虜になって。
「来た来た」

笑顔になった松木が

「こっち」

大きな駐車場の奥に入っていく。

「何なの?」

「いいから」

何も言わずにちょうど真ん中あたりに来たところで私を向いた。

「もっとこっち来いよ」

私との距離を縮める。

「…何」

暗くて、松木が見えない。
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