私を惚れさせて。私の虜になって。
「すがちゃんあそぼー」

「馬鹿か。遊ばんよ」

勉強しに来てんだから。

…家から逃げるため。

「あそぼって言ってんだろ」

なんだか松木はムキになっている。

「だからなんでよ」

「何でもだよ!」

「…なんで怒ってんの」

意味、分かんないよ。

「遊ぶんだよ!来いよ」

変にムキになった松木は、上着を着て外に出た。

来いよって言ってたよね。

行かなきゃいけないのかな。

勉強もしたいんだけど…。

まぁ、ちょっと行って帰ってこよう。

塾を出たところで、松木からメールが来る。

【階段降りて焼き肉屋の前】

どこに連れてく気なんだ…。

焼き肉屋の前に着いて少しすると

【そこの道入って真っ直ぐ】

まるで私をどこかで見てるみたい。

横の道を真っ直ぐ歩いて行くと。

駐車場の入り口で松木が座っていた。

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