私を惚れさせて。私の虜になって。
これは、堪忍するしかない?


…やだ。

松木に、迷惑が掛かるから。


「…言えよ」


じっと、黙ってれば?


聞こえないみたいに。


「おい」


松木の声が、どんどん怒ってるのがわかる。


いくら、怒らせても、


いくら、嫌われても、


そうじゃなきゃ、ダメだと思うんだ。


「聞こえねぇかおい!!なぁ!!」


俯いてた顔をふっと上にあげられる。


嫌でも入るようになった、松木の怒った顔。


「…なぁ」


そんな、顔しないでよ。


< 412 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop