私を惚れさせて。私の虜になって。
「すがちゃん」

私の隣に座っていた松木は、

ぐっと距離を縮める。

「な、何…」

顔が、近い。

息が掛かりそうなぐらい。

「すがちゃんが嫌なら、誰も信じなくていい」

だから、何。

「だけど、これは知っとけ」

「っ…」

また、距離を縮めて、

「俺は、すがちゃんを信じてるから」

「…は、」


かっこつけて、

かっこよさげなこと、言ったつもり?

「はっは…ははははっ、はっ、笑えるよ。それ」

ばかばかしい。

「そんなことで、あ、じゃあやっぱり…なんて思うほど、私、甘くないから」

そんなことで、揺らぐもんじゃない。

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