私を惚れさせて。私の虜になって。
「おはよー」

「モリ!はよ」

「はよーモリちゃん」

モリちゃんこと森川は、3年の10月でも部活をしている。

どうも、ソフトボール推薦で高校に行くらしく。

体が鈍っちゃ、元も子もないらしい。

「おつー」

当然、モリは高校が決まっていて。

「うらやましーモリちゃん!高校から来てくださいって言われるんだもんなぁ」

「ね。モリあとはケガしないだけだもんね」

「どやーっ。一芸が身を救ったわ」

汗だくで、制汗スプレーをシューシューしながらモリは胸をはる。

「座れー。喋る時間は終わってるぞー」

担任が教室に入ってきて、私たちはお喋りを止めた。

といっても、私の前の席はせーちゃんだから、こっそりお喋りするんだけどね。

一番前のモリはちょっと、可哀想かな。




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