私を惚れさせて。私の虜になって。
なんで、なんで、
なんとなくイライラしながら、家に帰る。

「友李ちゃん…」

「今日、いらない」

何にも、口にしたくない。

「そう…なんかあった?」

「…特に」

話したって、何にもならない。

思い出したくない。

「そう…」

いつもは、私の飲み物を作るけど、断られたもんだからやることがなくなって、手持ち無沙汰になったお母さん。

そんなのもお構いなしに、自分の部屋に行った。

一件、メールが来ていた。

【松木来てる!早く来て!】

まーくんからだった。

1時間も前のことで。

【今帰った。すぐ行くね】

まーくんも松木も、学校を忘れさせてくれる。

着替えてリュックを背負って部屋を飛び出す。

「いってきまーす」

なんでこんなに必死なんだろう。

なんで嬉しがってるんだろう。

「友李ちゃん…」

「呼ばれてるの!塾の子に!だから!」

そう叫んで、家を飛び出した。

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